Home >  業務内容 >  時価評価   |
   はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク この記事をLivedoorクリップにクリップ! Yahoo!ブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS

優先株式・優先出資証券・劣後株式の評価

投資リスク管理

優先株式・優先出資証券・劣後株式は、主に資金調達の際の一手段として発行されます。

当社は、会計・税務・金融工学に精通したプロフェッショナルから構成され、 数多くの新株予約権及び新株予約権付社債の評価を実施しています。

ファイナンスを行う際には、優先劣後構造を設ける場合がよくあります。
これは、資金調達先によってリスク・リターンの選好が異なるため、 それぞれの資金調達先に応じたファイナンスを行う必要があるためです。
ここで、優先劣後構造を設けることを、トランチング(Tranching)、各部分をトランシェ(Tranche)といいます。

トランシェ1

「シニア(Senior)」とは、通常の貸付・社債と同じです。 金銭商品貸借契約に従って、『いつ・いくら支払う』というものが契約上定められていて、 その契約上の取決めを破ると、債務不履行(デフォルト)になります。

「エクイティ(Equity)」とは、株式です。 法的な債務ではありませんし、「メザニン」に優先株式が入っている場合は、 ”株主間契約”によって、優先株式を償還するまでは、配当を行わないなどの 取決めを設けます。

「メザニン(Mezzanine)」は「中二階」という意味ですが、 「シニア」と「エクイティ」の間にあることからきています。
このうち、「劣後ローン・劣後債」は調達先から見れば”負債”ですが、 通常はシニアの返済が問題ない水準でなければ、劣後ローン等を返済できないような契約になっています。
「優先株式」は調達先から見れば、”純資産”ですが普通株式とは異なり、 償還を前提とした設計になっている場合が多くみられます。 ただし、優先株式の場合は、法的な債務では無いため、法的債務(負債)にそもそも劣後します。

多く見られるものが、

  • シニアとメザニンにおける関係者間合意書(Inter Creditor Agreement)が締結され、 契約によって劣後の扱いを受けることを合意させる
  • 償還期限がシニアよりも長く設定されている(期間劣後)
  • 残余財産分配権に関する劣後条項(返済に関する劣後)
  • 一定の財務比率をクリアしなければ、強制的に弁済が繰り延べられる条項
  • 一定水準以上の現預金が存在する場合の、シニアの強制期限前弁済条項
  • 優先株式の場合は、法的な債務では無いため、法的債務(負債)にそもそも劣後する
といった条項を契約に入れることによって、シニアよりも返済順位を劣後させることになります。

優先株式は、メザニンですので、通常のシニア(通常の貸付債権、社債など)やエクイティ(普通株式)とは 異なる評価が必要となりますが、一般的な優先株式は、以下のような条件で発行されます。

  • 配当については、普通株式に優先して年率●%のように支払われる
  • 配当が支払えない場合は、翌期以降に累積する(累積型)
  • 普通株式の配当を受取る権利が無い(非参加型)
  • 普通株式に転換することができる条項が付与されている(普通株式転換型)
  • 残余財産の分配が、債権者よりも劣後し、普通株主よりも優先する
  • 発行会社が償還することができる条項(コールなど)が付与される

普通株式への転換が可能な優先株式も数多く発行されていますが、優先配当があり償還年数が実質的に存在する場合、 新株予約権付社債(旧転換社債型)と同様に、社債に近い側面(年率配当+元本償還)と、 普通株式(オプション行使による転換)としての側面の両方を有しています。
すなわち、優先株式に付随する新株予約権を行使した場合、優先株式は普通株式に転換し、 株式としての性質を有することになります。

この意味では、普通株式転換型の優先株式は、新株予約権付社債と非常に似ており、 優先株式の評価は新株予約権付社債(CB)の評価と類似しています。

ただし、新株予約権付社債(転換社債)は負債であるのに対し、 優先株式は資本であることから、信用リスクは優先株式の方が高くなります。

よって、優先株式を評価する場合には、債権系の評価とオプション評価の両方について理解する必要がありますが、 当社は豊富な評価実績を有しており、実務的な取扱いを含めて、サービスを提供しています。

投資家・発行会社に対するサービス

優先株式に投資する投資家の取得時評価額の算定、発行要項による価格の分析、 期末の時価評価対応を行っています。

現在は、金融商品の時価開示が施行されたことから、ほぼ全ての金融商品の評価が必要となっており、 従来は簿価で計上することが可能であった新株予約権付社債についても、時価評価が必要となっています。

資金調達の一環で発行される優先株式は、オプション価値を低くするため、様々な条件を設定しているものが多く、 案件に応じてカスタマイズして評価する必要があるものも数多く発行されています。

例えば、下記のような条件が付与されている場合、特殊な条件が付与されていない優先株式とは異なる評価が必要となります。

  • 行使価格が変動する場合(MSCBに類似のケース)

    株価によって行使価格が常に変動しますので、将来株価推移ごとに行使価格を算定し、 オプション価値を算定する必要があります。
    例えば、行使価格が株価の90%に設定されているケースでは、 常に10%インザマネーの状態にありますので、利益が常に確保できます。
    ただし、株価がいくら上昇しても、株価の10%しか利益が確保できないため、 評価額はそれほど大きくなりません。
    行使価格に上限・下限が設定されているケースがありますが、 上限が設定されている場合は株価が上限を超えた場合は上昇額がそのままオプション価値として反映されますので、 評価額にはプラスの影響があります。
    下限が設定されている場合は、 常に時価の10%の利益を得られるという前提が崩れますので、評価額にはマイナスの影響を与えます。

  • 発行体のコール条項がある場合

    ある一定の価格で発行体が社債を償還できる条項(コール条項)が付されている場合、 一定水準以上の株価の上昇が発生した場合、発行体はより有利な条件(e.g. 行使価格を高くする)で 社債を発行できることになります。
    この場合は、株価上昇によるオプション価値の増加部分を一定水準の株価までしか享受できず、 評価額にはマイナスの影響を与えます。

  • 投資家のプット条項がある場合

    投資家がある一定の価格で発行体に社債の買取を請求できるケースです。
    通常、優先配当は社債等(デット)に比べて高く設定されていますが、クレジット・スプレッド(信用リスク)が高いため、 オプション価値を見込めない場合(e.g. 株価<行使価格のケース)は、優先株式を長期保有するほど価値は低くなるケースがあります。
    よって、投資家にプット条項がある場合は、評価額にプラスの影響を与えます。

弊社では、優先株式の評価目的に応じて、各種モデルでの算定に対応しております。

発行会社に対するサービス

発行を予定している優先株式の発行要項の作成、条件による時価評価額の分析、 期末の時価評価対応を行っています。

優先株式を発行する際には、取締役会決議(場合によって、株主総会決議)によって発行する必要がありますが、 発行価格の妥当性に関する報告書を作成致します。
※弊社は、法律事務所ではありませんので、最終的なリーガルチェックは、お客様の顧問弁護士にお願いしております。

弊社で利用する評価モデル

  • 格子モデル
    二項モデル・三項モデルなどでオプション価値を評価するものです。
    こちらは、全行使期間を細分化して、オプションの価値を計算しますので、 複雑な条件のオプションも計算が可能となります。

  • シミュレーション・モデル
    モンテカルロ・シミュレーションによってオプション価格を算定します。
    複雑な条件が含まれているストック・オプションにおいても、 シミュレーション・モデルの設定次第で評価することが可能です。

ご利用料金・作業期間

ご利用料金、作業期間は、レポート形式及び難易度によって異なりますが、 下記は、上場会社が発行する優先株式に関する参考価格です。
実際の業務を行ううえでは、個別の見積もりが必要となりますが、 ムービングストライク、コール、プットなどが付与されている場合は、下表の「複雑なケース」に該当します。

レポート 報告書
金額 期間 金額 期間
簡易なケース 149,000円〜 〜1週間 350,000円〜 1〜2週間
複雑なケース 別途見積り 1〜2週間 別途見積り 2〜4週間

ご留意事項:
上記は、上場会社が発行する優先株式に関する参考価格です。
非上場会社の場合は、別途見積りが必要となります。
なお、一括して評価を実施する場合には、ボリュームディスカウントが適用されます。

弊社の新株予約権評価の特徴

当社は、リーズナブルな価格で、大量の評価を行うことに特化して業務を行っています。

  • リーズナブルな価格設定
    システム化して評価を実施することから、簡易な評価をリーズナブルな価格で提供

  • 短時間での報告書ドラフトの提出
    簡易版評価の場合は、通常1週間程度で、基準日以前を用いた参考評価(報告書ドラフト)を提出

  • 発行時における対応
    評価書フォーマット及び評価方法の確定後、時価評価基準日(割当決議日、割当日)の株式市場が閉まった後、 最短で1〜2時間程度で評価書をご提出いたします。

  • 大量案件の評価
    バルク評価のシステムを有しているため、大量の新株予約権を一括して評価

お申込・お問い合わせ

具体的な評価の内容、金額に関しては、 こちら からお問い合わせ下さい。


取扱案件

下記は、弊社が評価したことが公表されている場合を含め、具体的な名称等を非開示としております。

  • ジャスダック上場企業(建設業)の優先株式発行時のサポート・評価
      ジャスダック上場企業の発行する普通株式転換型優先株式・新株予約権の発行時における、割当契約書・発行要項の作成、時価評価(投資家サイド:東証1部上場ノンバンク)

  • 非上場ベンチャー企業(IT業)が東証1部上場企業(電気機器業)向けに発行する優先株式の発行時のサポート・評価
      非上場ベンチャー企業が発行する優先株式の割当契約、発行要項の作成、払込価格の算定(発行体サイド)

  • ジャスダック上場企業(IT業)の優先株式の評価
      ジャスダック・ヘラクレス上場企業の発行するM&Aに関するメザニン・ファイナンス(普通株式転換型優先株式・新株予約権)の発行時における、有利発行判定のための時価評価(発行体サイド)

  • マザーズ上場企業(不動産業)の優先株式の評価
      マザーズの発行するコーラブル新株予約権付社債(MSCB)の発行要項の作成、オプション評価額の算定(投資家サイド:発行会社)

  • 非上場ベンチャー企業(IT業)が国内投資ファンドに対して発行する優先株式の発行時の評価
      非上場ベンチャー企業が発行する優先株式の払込価格の算定(発行体サイド)

  • 東証1部上場企業(サービス業)発行の新株予約権付社債の償還時のアドバイザリー業務
      東証1部上場企業が国内投資ファンドに対して発行する優先株式の償還時のアドバイザリー業務(発行体サイド)

  • 国内銀行が保有する優先株式の評価
      国内金融機関が保有する優先株式の期末時価評価(7銘柄)

  • 国内信託銀行が保有する優先株式の評価
      国内信託銀行が保有する優先株式の期末時価評価(3銘柄)

  • 非上場ベンチャー企業(繊維製品業)が保有する上場企業が発行する優先株式の売却価格の算定
      非上場ベンチャー企業が保有する優先株式の売却価格の算定(投資家サイド)

  • 国内銀行が発行する優先株式の期末時価評価
      東証2部上場企業が保有する、国内銀行が発行する優先株式の期末時価評価(投資家サイド)

  • マザーズ上場企業(不動産業)が発行する優先株式の期末時価評価
      マザーズ上場企業(不動産業)が発行する優先株式の期末時価評価(投資家サイド)

  • 2011年:ジャスダック上場企業(小売業)が国内投資ファンドに対して発行する劣後株式の発行時の評価
      ジャスダック上場企業が発行する普通株式転換条項付劣後株式の割当価額の妥当性判断のための価格算定(発行体サイド)

  • その他多数



    具体的な評価の内容、金額に関しては、 こちら からお問い合わせ下さい。




    オプション評価の手順・モデルについては、下記のページをご覧下さい。

    オプション評価モデルのご説明

    ブラック=ショールズ・モデルについては、弊社Web上で、 ブラック=ショールズ・モデル計算フォームを 掲載しておりますので、実際の評価を依頼される前の概算値を計算にご利用下さい。

    関連項目

    1.1 ストック・オプションの概要
    1.2 オプション取引とは
    2.1 ストック・オプションの評価の流れ
    2.2 ブラック=ショールズ・モデルでの計算の概要
    2.3 二項モデルでの計算の概要
    2.4 モンテカルロ・シミュレーションでの計算の概要
    2.5 パラメータの設定
    2.6 ボラティリティ
    2.7.1 オプション計算フォーム:ブラック=ショールズ・モデル
    5.1 新株予約権付社債評価の概要
    5.2 契約条項による評価額の差
    5.3 発行体のコール条項について

    また、新株予約権に関する学習は、下記のサイトをご覧下さい。
    新株予約権・ストックオプション学習サイト:
    ストック・オプション専用サイト